鼻の頭のニキビは危険って本当?
鼻の頭のニキビは危険って本当?
鼻の頭のニキビは「めんちょう」と呼ばれ、「いじってはいけない」「命に関わる危険がある」などといわれることが多々あります。本当に鼻の頭のニキビは危険な存在なのでしょうか?
このコラムで解説していること
■「めんちょう」とは
そもそも、いわゆる「ニキビ」と「めんちょう」とは、何が違うのでしょうか?どちらも毛穴に菌が増殖し、炎症を起こしたものですが、ニキビとめんちょうとでは炎症の原因となる菌が異なります。
ニキビの原因となっているのはアクネ菌と呼ばれる菌。病原菌とは異なり、私たちの肌に常在している菌ですが、大量に増殖すると毛穴周辺に炎症を起こし、ニキビを進行させる原因となります。
一方、めんちょうの原因となるのは黄色ブドウ球菌という菌です。黄色ブドウ球菌は食中毒の原因としてよく知られていますが、吹き出物や水虫などに存在し、肌を化膿させる代表的な菌でもあります。その菌がなんらかの原因で毛穴に入り込み、炎症を起こすと「めんちょう」になります。見た目はニキビとあまり変わりませんが、痛みと赤みが強く、熱を持つこともあるというのが、めんちょうの特徴です。
■鼻の頭のニキビ=めんちょうなのか?
めんちょうとニキビは、できる部位ではなく、感染する菌によって異なるため、鼻の頭にできた吹き出物=めんちょうとは限りません。鼻の頭にできていても、アクネ菌による炎症であればニキビですし、黄色ブドウ球菌による炎症であれば、めんちょうとなります。
では、なぜ鼻の頭の吹き出物=めんちょうと呼ばれるようになったのでしょうか?それには大きく二つの理由があります。一つは、鼻が皮脂分泌の多い部位であり、吹き出物ができやすいことです。皮脂分泌が盛んな上、女性であればメイクによりファンデーションなどが毛穴に詰まることで、吹き出物ができるのを助長させてしまうこともあります。
もう一つの理由は、鼻~目頭の周辺に脳につながる血管があることです。毛穴に炎症を起こした菌が血管に入り込み、そこから脳に拡散して、髄膜炎などの命に関わる病気になるおそれもないとはいえません。以上のようなことから、鼻の頭や周辺にできた吹き出物には特別な名前をつけ、なるべくいじらないようにさせていたわけです。
■鼻の頭のニキビの治療法
鼻の周辺には脳につながる血管があるわけですから、鼻の頭やその周辺にできた吹き出物には、なるべく触らないというのが原則です。その上で皮膚科を受診するのがベストですが、難しければ抗生物質入りの市販の軟膏(塗り薬)を購入して、洗顔後などの肌が清潔なときに患部に塗布し、ケアをしましょう。
特にめんちょうの場合は、できれば皮膚科を受診し、抗生剤を処方してもらうのがおすすめです。飲み薬と塗り薬の両方が処方されることが多く、体の内側と外側の両方から治癒をするので、比較的早く治るでしょう。
また、ストレスや睡眠不足などで免疫が下がっていると、普段は感染しない菌に感染してしまうことも多々あります。薬で治療を行うほか、体調管理を行うこともニキビや吹き出物予防につながります。
まとめ
- 鼻の頭にできた吹き出物が全て「めんちょう」とは限らない
- めんちょうとニキビは、炎症の原因となる菌が異なる
- 鼻の周辺には脳につながる血管が通っているので、その辺りにできた吹き出物はいじらず、薬で治療するのがよい